お知らせ・店主ブログ
冬本番、体と心を温めるお茶の選び方・飲み方のススメ
明治24年創業・お茶屋の網代園です。
寒さが厳しくなってまいりました。
体の冷えを感じている方も多いのではないでしょうか。
昔から「冷えは万病のもと」といわれ
放っておくと、風邪をひきやすくなったり
疲れやだるさなどの不調を引き起こしてしまいますから
体を内側から温めて、元気に過ごしたいものです。
そこで注目したいのが、お茶の力。
最近はテレビなどで特集される機会も増え
身近な健康飲料として、再び関心が高まっています。
でも、単に体にいいだけでは、長続きしませんよね。
この冬、手軽に、健康に、なによりおいしく
お茶を楽しむコツをお伝えしていきます。
-目次-
1. 冬に飲むならどんなお茶がおすすめ?
・ 〈緑茶〉のカテキンパワーで免疫力アップ
・ 〈ほうじ茶・玄米茶〉の香りで、心もリラックス
2. お茶が冷めづらい茶器ってあるの?
・ 実は、昔ながらの〈陶器〉がすぐれモノ
3. より効果的に「温活」するには?
・ 〈緑茶 × ショウガ〉 で血行促進
・ 〈ほうじ茶 × リンゴ〉で腸内環境を整える
4. 終わりに
1.冬に飲むならどんなお茶がおすすめ?
〈 緑茶 〉
お茶の苦渋成分であるカテキンは、ポリフェノールの一種。
抗酸化作用のほか、抗菌・抗毒素・抗ウイルスなどの作用をもち
体の免疫力を活性化するという研究結果も多数報告されています。
なかでも緑茶は、紅茶・ウーロン茶に比べてカテキン量が多く
冬場の風邪予防・ウイルス感染対策にぴったり。
飲むだけでなく、お茶うがいなども推奨されていますよね。
ただし、カフェインを含むため、人によっては体を冷やす可能性も。
一気飲みは控え、温かい緑茶を少量ずつ、こまめに摂るのがおすすめです。
〈 ほうじ茶・玄米茶 〉
緑茶の場合、100℃近い熱湯を使うと
カテキンやカフェインなどの成分が多く溶け出してしまい
人によっては、苦みや刺激を感じるかもしれません。
「渋みや苦みはできるだけ抑えたい」
「寝る前でも気にせず飲めるお茶がいい」という方には
ほうじ茶や玄米茶(げんまいちゃ)がおすすめ。
緑茶に比べカテキン・カフェインの含有量が少なく
熱湯でも苦みが出づらいので、お子様も飲みやすい茶種です。
さらに、高温のお湯を使用することで
ほうじ茶・玄米茶の香ばしいかおりが引き立ちます。
これらの香り成分には、体や脳をリラックスさせ
ストレスや疲れを和らげる効果があるそうですよ。
自立神経のバランスが崩れることも、冷える要因のひとつ。
ぜひ、体だけでなく心も癒してあげてください。
関連記事:日本茶の栄養素と健康効果のおはなし
冬にほっこり・ほうじ茶のおはなし
2.お茶が冷めづらい茶器ってあるの?
せっかく淹れたおいしいお茶は
できるだけ温かい状態をキープしておきたいですよね。
最近は、真空断熱構造のマグカップやタンブラーなど
保冷・保温に優れた容器が手軽に購入できるようになりましたが
実は、昔ながらの茶器にも、保温性に優れたものがあるんです。
〈 陶器 〉
それは、陶器製の急須やお湯のみ。
土の温もりを感じる色味と、全体的に厚みのある質感が特徴で
栃木県の益子焼(ましこやき)、愛知県の常滑焼(とこなめやき)
山口県の萩焼(はぎやき)などが有名です。
陶土という粘土を素材とすることから「土もの」とも呼ばれ
素地に空いた細かい穴が、天然の断熱材の役割を果たし
高い保温性をもつ焼きものとして知られています。
また、ゆっくりと均一に熱が伝わっていく特性をもっていて
熱々のお茶を注いでも、すぐ素手で持てるというメリットも。
器に沸騰した湯を入れ、あからじめ温めておけば
あとから注いだお茶の温度が下がりにくくなります。
余裕があるときにでも、お試しくださいませ。
一方、佐賀県の有田焼(ありたやき)など
白色を基調としたものが多い磁器製の茶器は、
比較的素地が薄く、熱を伝えやすい特徴があります。
熱いお茶を淹れる際には、火傷などにご注意ください。
関連記事:お茶屋が伝えたい急須のおはなし(その1)
3.より効果的に「温活」するには?
「もっと効果的に冷えを改善したい」という方は、
身近にある食材を “ ちょい足し ” してみるのはいかがでしょう。
< 緑茶 × ショウガ(生姜) >
ショウガに含まれる辛み成分・ジンゲロールやショウガオールは
体内の血行促進や、殺菌・抗酸化作用をもっています。
おすすめのレシピは、次のとおり。
1.ショウガを皮ごとカットし、電子レンジや天日干しで乾燥させる
…ショウガを乾燥させると、血流改善効果がアップするそうです。
2.やや高めのお湯で淹れた緑茶に、乾燥ショウガを浮かべる
…湯温が高いほどカテキン成分が溶け出しやすく
インフルエンザウイルスや風邪の予防効果も期待できます。
< ほうじ茶 × リンゴ >
冬の果物の代表格であるリンゴ。
寒い地域で採れる食材は、体を温める効果が高いといわれています。
おすすめのレシピは、次のとおり。
1.生のリンゴを薄く切り乾燥させるか、ドライフルーツのリンゴを用意する
…ショウガ同様、乾燥によりカリウムやβ-カロテンなどの栄養素が増加。
腸内環境を整え、冷え改善に役立ってくれるそうです。
2.熱湯で淹れたほうじ茶に、乾燥リンゴを浮かべる
…甘みのあるリンゴには、クセの少ないほうじ茶が合わせやすいでしょう。
栄養の溶け込んだアップルティーで、体をほっこり温めてください。
4.終わりに
今回は、この冬おすすめしたいお茶の選び方・飲み方を紹介しました。
ちょっとした工夫で、いつもの飲み物がおいしい温活アイテムに早変わり。
お茶や食材が手元にある方は、ぜひチャレンジしてみてください。
冷えによる不調やストレスから解放され
心も体も、健やかに過ごしていただけますように。
本年も大変お世話になりました。
皆さま、すてきなお茶時間を。