お知らせ・店主ブログ
【ブログ】今だから知りたい新茶と古茶(こちゃ)のおはなし
こんにちは。八王子の日本茶専門店・網代園です。
すっかり、春めいてまいりました。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
いろいろな植物が芽吹く頃、お茶も柔らかい新芽を出し始めています。
そもそも新茶って何?
新茶とは、その年の最初に生育した新芽でつくったお茶のこと。
冬の間、じっくり養分を蓄えた茶葉には栄養が豊富に含まれており、
「新茶を飲むと一年間無病息災で過ごせる」という言い伝えがあるほど。
縁起が良いので、贈答品やお土産としてもおススメです。
少し高め(80℃ぐらい)の湯温で淹れると、
新茶らしい、青々としたフレッシュな香りが楽しめますよ。
新茶はいつごろから販売される?
新茶の収穫は、九州など温暖な地域から始まり
桜前線と同様、徐々に北上していきます。
童謡 『茶つみ』に
♪ 夏も近づく八十八夜 ~ という歌詞がありますね。
八十八夜は、立春から数えて88日目(毎年5月2日ごろ)のこと。
季節が春から夏へ移り変わる、4月中旬~5月中旬ごろが
新茶のシーズンといえるでしょう。
しかし、ひとくちに新茶といっても
産地・品種・入荷時期などによって、味や香りは大きく異なります。
普段お茶屋は、
香りのよいもの・味のよいもの・水色のよいものなど
さまざまな特色をもつお茶っぱをブレンドし、“ その店の味 “ に仕上げますが
この時期だけは早さが勝負。
どの店も入荷次第、店頭へ並べるからです。
「新茶ならどれも同じ」と、一度にたくさん購入してしまうのは
ちょっぴりもったいないかもしれません。
できれば少量ずつお買い求めいただき、
あなたのお口に合う新茶を探してみてください。
古いお茶は飲まないほうがいい?
新茶が販売されると、
去年のお茶=古茶(こちゃ)はおいしくなくなってしまうのでしょうか。
いいえ、そんなことはありません。
古茶って、実はとってもおいしいんです。
千利休も徳川将軍家も、新茶を味わったのは秋になってから。
新茶は、ひと夏保存すると旨みが増すといわれ
かの家康公は、宇治で採れた新茶を
秋までお茶蔵で保存させていました。
新茶の新鮮で強い味わいとは対照的に、
古茶は、じっくりと旨みを楽しむものなんですね。
現在は、冷温貯蔵・真空窒素充填などの技術が発展し、
新茶と区別がつかないような古茶が流通しています。
落ち着いた味わいを堪能したいときは
あえて古茶を選ぶのもいいかもしれませんね。
まとめ
わざわざ古茶を勧めるなんて、変わり者のお茶屋ですが
いろいろな味や香りを楽しめるのも今だけ。
普段はペットボトル派・ティーバッグ派という方も、
よければ急須を使って、季節の味を楽しんでみてください。
それでは皆さま、すてきなお茶時間を。